2012年02月01日
光り輝く島 スリランカを訪ねて〜セイロン紅茶の魅力〜
2011年の夏に仕事でスリランカを視察する機会があった。紅茶の仕事に10年ほど関わっていながらスリランカを訪れるのは初めてで、出発前から楽しみにしていたが、訪れてみて改めてスリランカとスリランカの紅茶の魅力を再認識した。
スリランカはシンハラ語で「光り輝く島」という意味があるとか。もともとセイロン島と呼ばれていたので紅茶や宝石の世界では今でも「セイロン」が使用されている。「セイロン紅茶」で親しまれているスリランカの紅茶は、日本で一番多く飲まれている。
10年ほど前にスリランカを訪れた人に話を聞いたところ、その当時はまだ治安が悪く、車で移動していてもあらゆるところで銃を持った警察に止められ、パスポートの提示を要請されたそうだ。現在は2009年に「タミル・イーラム解放の虎LTTE」との戦争が終結したこともあり、とても治安のよい国であると感じた。
Unilever Lipton Ceylon Ltd.
ユニリーバ・スリランカの紅茶部門を訪問した。紅茶部門の責任者であるMr. Avi De Silvaにセイロン紅茶の魅力を聞いたところ、産地によってそれぞれまったく違った個性を持つその多様性にあるという。試飲室ではティーバイヤーたちが毎日300カップ程度のテイスティングを実施しており、オークションに出される紅茶の事前評価を行っている。7つの産地、数十種類の紅茶をテイスティングさせてもらい、その個性の違いとそれぞれの魅力を知らされた。
コロンボ ティーオークション
スリランカで一番の大都会コロンボにある商務省の建物内にオークション会場があり、毎週火曜日はLow Grown(低地産茶葉)、水曜日はHigh Grown(高地産茶葉)が取引されている。近年は中東の国によるLow Grownの茶葉の需要が高まっており、生産量・取引量ともに年々増加傾向にあるようだ。事前に提出されるサンプルとオークションカタログを見て、バイヤーは買いたいロットを決めてくるので、オークション自体のテンポは極めて速いのだが、それでも朝から夕方までかかる。
ディンブラ
周囲を2000m程度の岩山に囲まれ(ディンブラ バレーと呼ばれ産地名称の由来)、谷あいの中心を川が流れている。
鉄道駅のあるTalawakelleでも1200mの標高。年間を通じてモンスーン気候による降雨と平均16〜18℃程度の気温が、安定したお茶の栽培を可能にしている。(滞在中も朝霧、にわか雨が続いていた。)栽培可能な斜面は全て茶園として利用し、わずかな谷あいの平地に働く人々の住宅、診療所、学校、自給自足用の野菜畑、そして栽培して翌日には紅茶に仕上げる工場まで各茶園ごとにそろっている。Talawakelle地区にあるHolyrood Tea EstateやGreate Western Tea Estateではレインフォレスト・アライアンスの認証も受けており、品質だけでなく環境にも配慮した茶園管理が実施されていた。
ヌワラエリヤ
スリランカでもっとも標高が高いエリアで、イギリス植民地時代には避暑地として栄え、今も当時の名残として、広い芝生の庭をもつイギリス風の建物が点在している。ヌワラエリヤにあるゴルフ場はアジアで最初にできたゴルフ場で、その近くには
「Hill Club」や「The Grand Hotel」といった英国風のコロニアルホテルが建ち並んでいる。ホテルには中東からの観光客や、
中には新婚旅行と見られる日本人カップルも滞在していた。Hill Clubは特に英国風の趣があり、レストランでのディナーにはジャケットとネクタイの着用を求められた。持参していなかった私はホテルでレンタルしたが、ショップにはダークグリーンのHill Clubのネクタイやジャケットなどが販売されていた。夜になるとホテルの室内でもかなり寒く感じられたが、ベッドの中に湯たんぽが入れられていたのに驚いた。しかしこのサービスが嬉しく、朝まで快適に眠らせてくれた。
ヌワラエリヤのPedro Estateで作られるLover's Leapという銘柄は海外でも上質な紅茶として良く知られている。
歴史的にイギリスの植民地政策として発展した紅茶産業であるが、スリランカの人々によって守り、育てられ、彼らの生活として維持されており、最大の産業として品質の維持・向上に対する努力がなされていることに感銘を受けた。
紅茶を愛する人にぜひ訪れてもらいたい国だと感じたし、訪れた人は必ず極上のセイロン紅茶の魅力を満喫できると思う。
(文:マーケティング 三輪壮)
| 【特別開催イベント】 | 光り輝く島 スリランカ スリランカとセイロンティーの魅力を探る イベントの詳細はこちら≫ |




